ホームシック
ホームシック
寮に入ってちょうど十日と言うより、親元を離れて十日が立っていました。
「甲子園を目指して野球留学」とは、なかなかカッコいい表現ですが、現実はそんなに甘いものではありませんでした。
まだ入学前の十日間で、高校野球、甲子園、寮生活と今までの人生で感じたことのないカルチャーショックを味わったのです、そしてこのレベルで野球を嫌、高校生活を三年間も続けていけるのか?不安に押しつぶされていたのです。
そんな気持ちが、入学式のため、奈良まで来てくれた両親と会った途端、涙となって表れました。
まぎれもなく、「ホームシック」でした。
この時、両親の愛情を痛いほど感じました。「可愛い子には、旅をさせろ」とはよく言ったものです。親元にいた時は、何も分からなかった親の有り難味、離れてよくわかりました。
当然、小生の涙を見て、両親は心配しました。
特に父親は、自分も、八百屋の丁稚奉公で中学を出て、住み込みで修業をした身です、小生の顔を見れなかったのを覚えています。
そんな時です、母が「自分で選んで入った高校やろ、甲子園なんか出なくていい、三年間しっかり頑張りなさい」と一括されたのです。
本当は、地元の高校があれだけ誘ってくれるのを蹴ってまで、T高校に進学したのです、決して、商売の方が楽になった訳でもなく、地元だとお金もかからなかったのに、それを何も言わず、奈良の高校に進ませてくれた両親、今振り返っても恥ずかしい思い出です。
しかし、小生この「ホームシック」とずっと付き合っていくのですが、この時は、母の一言でとりあえず収まりました。
教訓 親元を離れるときは、覚悟しろ!
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